考えすぎな鳥の音

日々考え過ぎたり考え過ぎなかったり

すべてがFになる アニメと小説

■はじめに

この記事には「すべてがFになる」の小説、アニメの感想が並びます。よって、多大なネタバレが含まれるので、未読/未視聴でネタバレを避けたい方はここでブラウザバックしてください。

すべてがFになる

f:id:kam0:20160221145943j:plain

すべてがFになる」は名前と印象だけ知っていたのだけれど、2015年秋枠にアニメ化するということで初めて視聴し、ちゃんと内容を知ったのはその時でした。

内容はかなり好きな方で、哲学的(?)なセリフ回しとかキャラの性格にドはまり。何話かは忘れたけれど、博士の子供って説がでてきて、かつ「子供に殺させた」から「子供を殺した」って話に転換した時にすごいゾクゾクした覚えがあります。

こう、よく思うのだけれど、ゾッとするとか嫌悪感を抱くとか、マイナスの感情を強く持てるってことは、それだけ印象をしっかり与えてくるってことで好きなんですよね。プラスの感情(面白い、かわいいとか)は結構持ちやすいので、無理やりじゃない説得力を伴ったマイナス方向の印象(生生しい、ゾッとするとか)を感じると、その作品の印象が長持ちするのです。

#もちろん、ただただグロいとかだと、印象にも残るけど面白いとは思わないけれど

中二病時代に哲学とか思想系、高尚な言い回しに憧れた系のオタクなので、フカいセリフなんかが好きなんだけど、その観点でも楽しめたってのがよかったです。あと、自分がSEなんで、プログラム関連の話だったってのもポイント高し。

■小説

そんなこんなでアニメ「すべてがFになる」を視聴し、大いに楽しんだわけでしたが、そのまま気になったので小説を買いました。

f:id:kam0:20160221150545j:image

アニメで好きになって原作を買うってのは久しぶりです。なにせ本棚のキャパシティ的に最近は原作漁りできないのだ!

通勤電車内での読書用として読み始めてまず思ったことは、「文字が多くてページが進まねぇ…!」である。

#なにせ読み物といえばラノベが多かったので

久々に所謂小説を読んだので時間はかかったものの、アニメとはまた違った描写等を楽しめました。

そんな、小説版とアニメ版での相違点をいくつか。

■アニメ版と小説版の違い

いろいろあるんだけど、記憶に残って大きいのはざっくり

  • 新藤所長と真賀田博士の関係描写
  • 被害者の数
  • 西之園さんの飲酒描写
  • BとDの孤独
  • 各話タイトル

といったところ。

■新藤所長と真賀田博士の関係描写

これはまずぱっと思いました。

アニメだと各話の頭とかでまず回想が入っていたかと思います。新藤所長が怪しげな雰囲気を纏う14歳の四季少女との関係を持つまでのシーン、夏のある日に四季少女がナイフを購入するシーン。物語の最後のトリック(というか事実)につながるシーンですね。

小説版ではこれらはなく、結果は同じなんだけど唐突に二人の関係が出てきたように見えました。なので、ぼくはアニメ版の方が好きですね。

■被害者の数

これ、ほんとびっくりしました。小説版では山根さんが死ぬんですね。

なぜ殺されたかというと、レッドマジックのソースを解析していて、時間のトリックに気づいたから(だったはず)。

個人的には四季博士の動機と行動が一貫して見えるので、こちらもアニメ版の方がしっくりきます。

■西之園さんの飲酒描写

まぁこれは仕方ないですね。19歳だったか、未成年なのでアニメでは控えられるのもしょうがないでしょう。

原作で未成年の喫煙/飲酒描写があった際、アニメでは線が入ったりジュースになったりしますが、「苺ましまろ」というアニメでは女子高生ヘビースモーカーだった姉が短大生になっていてびっくりした、というのを思い出しました。

#のぶねぇの歳を超えたとき一筋の涙が…なんでもない

■BとDの孤独

アニメでは話題にだけあって、解説はなかった、と思う。小説版では話があって、「1から10の数字の中で7だけが孤独」なんだけど、「1~F(15)までなら7だけでなくB(11)とD(13)も孤独」というわけ。

タイトルに絡むけど、逐一解説するとテンポが悪くなるからアニメではなかったのかな。「7の孤独」を全面に押すという面ではそれもよし。

#IT系のくせに小説で解説見るまでハテナだったのは内緒

■各話タイトル

比較してみましょう。

話数小説アニメ
1話 白い面会 白い面会
2話 蒼い再訪 蒼色の邂逅
3話 赤い魔法 赤い魔法
4話 褐色の過去 虹色の過去
5話 灰色の境界 銀色の希望
6話 虹色の目撃 真紅の決意
7話 琥珀色の夢 灰色の境界
8話 紺色の秩序 紫色の夜明け
9話 黄色いドア 黄色の死角
10話 銀色の真実 紫苑色の真実
11話 無色の週末 無色の週末

 赤字は色以外が異なるもの、青字は色が異なるもの、緑字は入れ替わったりいろいろ異なるもの。

4話の「蒼」はなんだろう。海の色?空の色?

9話の「ドア」「死角」はトリック目線に置き換えたのかな。

10話の「銀色」「紫苑色(しおんいろ)」は、これもう全然想像つかない。この辺カラーコード(#867ba9)とか関係あるのかなーと思ったけどどうなんでしょう。

4話の「再訪」は西之園さん視点、「邂逅」は犀川先生視点と捉えると、小説とアニメで視点を変えたときの色の差なんでしょうか。もしくはアニメ版は四季博士の感じる色かも。

この辺誰か目星がついていたら教えて頂きたいところ。

■さいごに

この作品はシリーズものなんですよね。

なので、小説は文体も好みなので、続けて買って読んでいきたいと思ってます。アニメも続編やらないかなぁ。

小説から入った人、ぼくのようにアニメから入った人いると思いますが、受け取り方はどんな差があるのでしょう。小説から入った人の感想を聞いてみたいところ。

ぼくは、先に述べたようにアニメでの一貫した四季博士の話であるところに凝縮された感じが、11話という短さにつまっていてとても心地よい密度でした。ですが、決して小説版が蛇足だとか足りないとか言いたいわけではなく、表現の差だと思います。

小説のカバーにもある言葉がお気に入りです。

「先生……、現実って何でしょう?」

「現実とは何か、と考える瞬間にだけ、人間の思考に現れる幻想だ」

「普段はそんなものは存在しない」